私が考案した『我書アート』は、墨と筆を使って文字を書くので書道の一種だと思う方もいるかもしれません、でも実はアートであって、書道とは似てはいても、別のものなんです。
書道だと、筆の持ち方、姿勢、文字の形のルールみたいなものや、じょうずへたの物差しがありますが、これはアートですから、そういうものは一切ないんです。
ルールといえば、
@自分の心の奥からわきあがってくる言葉に耳を傾けて、自由な発想で自由に描くということ。
Aマイナスの言葉が出てきたら、必ずプラスの言葉で締めくくるということ。
B描いた作品を自分で鑑賞するということ
ぐらいです。
その作品が、描いた人にとって最高の癒しになるのです。それは、私自身がそうだったから・・・。自身をもっていえます。
10年ほど前、私は離婚したあと精神的にどん底の状態をしばらく続けていました。怒りややるせなさ、そういうものが心のなかに、すごくいっぱい詰まっていたときです。
この気持ちを吐き出したくてしょうがないけど、どうしたらいいかわからない。毎日イライラしていて、このままではおかしくなっちゃう、という時期でした。ふと墨で何かを描いてみたいな、という思いがわいてきたんです、そういうこと、やったことがないのに。でも、やりたいし、何かできそうな気がしたんですね。深いところで。
イメージとしては、現代アートを描くつもりだったんですが、ちっとも描けない。この理由は後でわかったんですが、自分のなかにあるマイナスの思いが解消されない限り描けないことになってたんですね。
それで、描いたものは、それはもうひどい落書きのようなものはっかり。ちっともイメージ通りの現代アートは描けなかったんです。
そのギャップがすごくて、できるはずなのになぜだろうって考えました。 |
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